トピックス-茶業会議所広報
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第63号

平成15年8月31日発行

茶業会議所 新役員決まる
平成14年度 決算報告
平成14年度 事業報告
静岡茶「クリーンチェーン」の確立
茶学術研究助成・顕彰事業
平成15年度 杉山彦三郎賞表彰
平成15年度 茶業功労者表彰




茶業会議所 新役員決まる

 平成15年6月19日、県茶業会館において通常総会が開かれ、任期満了に伴う役員改選で、会頭に
柳澤伯夫氏(67)が選任されました。



新会頭挨拶
 この度、静岡県における茶業界を代表し、関係団体との総合的な連格調整と 協調を図る役目を担います静岡県茶業会議所の会頭を仰せつかりました。
お茶は、言うまでもなく静岡県の代表的な産物で、「静岡のお茶」は歴史的 にも、多くの先人が大変なお力を注がれて、今日の地位が築かれました。 こうした産業の総元締めである会議所の責任者に任命されたということで、 大変に責任の重さを感じているところであります。
 静岡県のお茶産業は、皆さんの御努力で依然として全国一の立場を享受しているわけ ですが、いろいろな意味で困難な問題に直面しており、会議所に代表される茶業の諸方面の方々の声を、でき るだけ広範に、かつよく耳を傾けて、そしてそれらを集約して、力強いものにし、全体として静岡県茶業の発 展に結びつけ
ていくことが私に課せられた使命ではないかと考えています。ぜひとも、皆様の
御協力を賜りたいと思います。
 表示の問題とか、全国お茶まつり静岡大会、国際的な行事等当面の課題への対応についても、皆様の声をく み取りながら、事務方ともよく相談をして、間違いのない対応をし、静岡県茶業の振興発展のために尽くしてま いりたいと考えておりますので、重ねてよろしくお願い申し上げまして、就任のご挨拶とさせていただきます。

柳澤伯夫 新会頭







 代表理事に戸塚進也氏(63)、副会頭は、県茶商工業協同組合の鈴木正已氏(73)と県経済農業協同組合連合 会の石川光男氏(65)が再選されました。

 なお、新役員は下記の通りとなりました。
役 職 名 氏  名 選出団体
 会  頭  柳澤 伯夫  茶業会議所(学識経験者)
 代表理事  戸塚 進也  茶業会議所(学識経験者)
 副 会 頭  鈴木 正已  県茶商
   同    石川 光男  県経済連
 専務理事  青野ダイチ  茶業会議所(学識経験者)
 理  事  天野  一  茶業会議所(学識経験者)
   同    藁科喜三郎  茶業会議所(学識経験者)
   同    河合 惣吾  茶業会議所(学識経験者)
   同    庄司  睦  県経済連(JA南駿)
   同    板倉小右衛門  県経済連(JAハイナン)
   同    田中 鉄男  県経済連(JA掛川市)
   同    伊藤 博徳  県経済連(JA遠州中央)
   同    住田 恵朗  県経済連
   同    岩崎  功  県茶商
   同    多々良浩吉  県茶商
   同    堀内 米次  県茶商
   同    松田 康男  県茶商
   同    鈴木 忠廣  県茶商
 監  事  深沢勝太郎  県経済連(JAしみず)
   同    伊東 義孝  県経済連
   同    高森  功  県茶商
   同    望月  浩  県茶商

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平成14年度決算報告

平成15年6月19日(木)、茶業会館において通常総会が開催され、次のとおり承認されました。

皆様の茶業振興費はこのように使われました。
皆様のご協力によりまして納入された、平成14年度茶業振興費は3億6,491万3千761円となり
次のとおり交付され各事業へ有効に使われました。


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平成14年度 事業報告


■消費拡大対策事業
 静岡茶統一宣伝事業では、14年度はテレビを使い、首都圏 の主婦向けに人気の高いタレント中尾彬さんに出演を依頼 して「俺は葉っぱで飲む」CFを製作し、急須でお茶を淹れ ることを訴え、緑茶飲料との差別化を図りました。
 また、テレビ人気情報番組である日本テレビ「午後は○○ おもいっきりテレビ」「静岡発!お茶がしりたい」等の番組 で緑茶を取り上げてもらい、主婦層に静岡茶をアピールして 消費拡大を図りました。
 このうち、マスメディア等による静岡茶宣伝事業では、テ レビ、ラジオ、新聞、雑誌等すべてを、共通コピーで統一して、 相乗効果を挙げる的を絞った宣伝を行いました。
 緑茶教室の開催事業では、県内の小中高校生から一般主婦、 OLを対象とした緑茶教室を開催し、基礎知識、美味しい淹 れ方、文化性等について幅広く理解を探める活動を行いまし た。
 新世代緑茶需要開拓事業では、小学校向け家庭科副読本(教 材)を作成し、東京都下と東日本エリア県庁所在地及びその 周辺の公私立小学校へ配布しました。
 静岡茶消費拡大対策事業では、各地で行われるイベントな どへ現物を提供することにより、“静岡茶”の良さをPRし ました。
 静岡茶販売促進事業では、新しい緑茶PRソングをNHK とタイアップ制作し、NHK「みんなの歌」で放送するとと もにCD化をし、全国の茶専門店等へ配布しました。

■生産改善指導事業
 生産改善対策事業として、「人づくり」、「地域に即した茶 業振興」、「環境保全型茶業の確立」、「戦略品種の普及推進」 の4事業を重点的に行い荒茶生産の安定供給に努めました。
 人づくり事業では、指導者の育成と資質向上を目的とした 「ステップアップ営農講座」、「逸品体験講座」を行いました。 また、後縦者のための研修や業種別・課題別の組織体制の整 備を図りました。
 地域に即した茶業振興事業では、(1)担い手育成、課題別・ 業種別研修、(2)茶園共進会(乗用型茶園の部)、機械化安全管 理啓蒙、(3)生産安定のための生産流通実態把握と対策(生産・ 流通統計調査)、(4)コスト低減のための茶工場経営の実態把 握と対策、(5)戦略品種の普及推進(母樹園の設置、地帯別品 種導入モデル地区の設置、品種茶流通の確立調査)を行いま した。
 環境保全型茶業の確立事業では、効率的な施肥を実現する ために、ECセンサーシステムの活用、肥料・農薬の適正使 用を指導徹底、気象変動・災害に強い生産技術の導入・普及 を進めました。
 戦略品種の普及推進事業では、戦略品種普及のため、母樹 園の設置や苗木供給体制を整え具体的な戦略品種の導入を 進めました。また、品種茶の販売のための茶流通改善指導調 査を行いました。
 産地システム化推進事業では、現在問題となっている基盤 整備・機械化の遅れ、茶園過剰施肥による地下水汚染、山間 地茶業の衰退等の対策を講じるため、現状の見直しを含め各 種調査を実施しました。
 持続的農業総合対策事業では、これまでに蓄積された栽培 管理技術の組み合わせにより、施肥効率の向上を目的とした 実証試験を継続実施したほか、茶生産者を対象とした研修会 や講習会のテーマとして取り上げ、技術の早期普及を図りま した。
 生産対策事業では、担い手育成のため資格取得研修会の開 催、異物混入防止・衛生管理指導、適正表示の推進、「安心・安 全な茶の供給」のための啓発指導を行い生産者の意識高揚を 図りました。
 茶品種普及対策事業では、一般消費者を対象としたPRを 主体にイベント等の機会をとらえ、試飲及び啓発活動を行い ました。

■手もみ製茶対策事業
 製茶技術の原点である、手揉製茶法を修得させるため後継 者養成講習会を開催しました。
県内外において開催される各種イベントの機会を通じ手揉 実演を行い、消費者への手揉茶の理解を深めました。

■海外茶販路開拓事業
ここ数年、緑茶のブームによって高級茶の市場が急成長して いるアメリカや東南アジアにおいて、湯茶接待及び茶道の実 演等を行い、日本茶の販売促進及びPRに努めました。

■総合調整等事業
 静岡の茶について歴史、生産、流通など全般を紹介するパ ンフレットを発行し、消費者・関係者に配布し静岡茶ファン 層の拡大を図りました。

■安心安全強化・新需要創造事業
 消費者の食品に対する安心・安全への要求が高く、茶におい ても安心・安全な茶の供給が必要となっている。クリーンチ ェーン確立のための茶園から荒茶製造行程にいたるマニュ アルの作成及びこれに伴う啓発活動の展開等について協議 をし、『安心・安全な静岡茶づくり~衛生管理マニュアル(茶 園・荒茶工場編)』、茶生産者への啓発資料、衛生管理マニュ アルCD-ROMを作成し、関係機関に配布しました。
 また商品開発やマーケティングの専門家によるプロジェ クトチームを組織し、新商品開発上の基本戦略や新需要茶の 市場開拓のマーケティング手法等について検討し、報告書を 取りまとめました。

■委員会開催事業
 業界の諸問題等を協議する各種委員会及び団体長会議・事 務連絡会を開催するとともに団体間の連格調整を図りました。

■広報・情報収集事業
 茶業会議所の事業計画や実績をお知らせする「広報」を発 行するとともに、インターネットのホームページを見やすく したり、Eメールによるお茶に関する質問への回答を行い幅 広い静岡茶ファン層の拡大に努めました。

■茶効能等推進事業
 茶の効能等についての学術研究に対する助成・顕彰を前年 に引き続き行い、平成15年3月に研究成果発表及び表彰を 行いました。これらは、マスコミ等にも取り上げられ多くの 反響を得ました。

■茶業振興対策事業他
 茶業振興対策事業では、杉山彦三郎翁顕彰会への助成をは じめ、茶業功績者表彰や各種大会への副賞並びに会頭賞交付 を行い、茶業振興の意欲増進と奨励に努めました。
 委員会等対築事業では、県内での茶園基盤整備の実態を把 握し、今後の事業推進の参考とするため関係委員による現地 視察を実施しました。
 茶多用途利用推進事業では、茶多用途商品の流通実態の把 握、販売上の課題、啓発の展開方法を模索するため、新商品 製造業者及び消費地茶商に茶多用途利用実態調査を行いま した。

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静岡茶「クリーンチェーン」の確立

 生産や品質だけでなく、製品の安全の面からも静岡茶ブランドの確立を図るため、茶園や荒茶工場から仕上 げ工場、小売店まで一貫性のある衛生管理システムの確立を目指す、静岡茶「クリーンチェーン」を3ヵ年計画 で進めています。
 1年目の14年度は、茶園や荒茶工場の具体的な改善マニュアルを作成、 虫や落葉、ビニールなどの異物混入を防止することや施設設備・機械器 具の保守点検、屋内外と室内の履物を変えるなどの意識を徹底させます。
 すでに、県内生産者には、具体的な各チェック項目を示した啓発資料 を作成・配布しましたので、これらのチェック項目を参考に、自分たち の茶園や荒茶工場を点検・確認し、静岡茶の信頼性の確立に努めましょう。


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茶学術研究助成・顕彰事業

 前年に引き続き、茶の科学並びに保健効果に関する研究で、国内外の研究者及び大学院生・研修生等から選出、 助成事業17件、顕彰事業5件の応募があり、助成事業5件、顕彰表彰3件を選出しました。
なお、研究成果発表及び顕彰表彰は、平成15年3月13日茶学術研究会総会・ 講演会会場にて行われました。



 ■茶学術顕彰表彰(敬称略)
  中川 致之(74) 茶の化学成分の分析による品質解明
  小西 茂毅(67) 茶樹の栄養生理特性に関する研究
  竹尾 忠一(72) 茶生葉及び製品の品質関与成分の化学・生化学的研究



 ■茶学術研究助成(敬称略)
  長澤 一樹  茶葉成分テアニンのグルタミン酸刺激による大脳皮質神経細胞死に対する
           保護効果及びその分子機構に関する研究
  氏原ともみ  市販緑茶の品種識別法の開発
  森田 明雄  チャのシュウ酸生合成に影響を及ぼす環境要因の解明と低シュウ酸茶の開発
  田中  隆  茶カテキン類の機能性にかかわる化学的基盤の確立
  水谷 正治  烏龍茶や紅茶の花様の香りはどのように生成するのか?
           β-プリメベロシダーゼによる香気生成機構の解明


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平成15年度 杉山彦三郎賞表彰

 茶業会議所に事務局を置く杉山彦三郎翁顕彰会では、 平成15年5月2日、駿府公園マロニエ広場にて茶業功 績者2名1団体を表彰しました。受賞者は次のとおり です。
  ■杉山彦三郎賞表彰(敬称略)
   茶品種普及功績賞
     中島 宏視(65)
   茶業振興功労賞
     牧野  (81)
     足久保ティーワークス茶農業協同組合

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平成15年度 茶業功績者表彰

 茶業発展向上に関して特に顕著な功績のあった者 及び集団を表彰し、茶業者の活動を促進し茶業の振 興に資することを目的とする平成15年度茶業功績者 表彰が平成15年6月19日、茶業会議所通常総会の席上 行われました。受賞者は次のとおりです。
 ■茶業功績者表彰(敬称略)
    岡部 義一(66)  谷本  勇 (74)
    中村 善二(66)  大橋 国男(65)


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