お茶のできるまで
お茶作りは、明治時代中頃まではすべて手作りでしたが、現在では近代的、衛生的な製茶機械によって製造されています。
しかし、茶づくりの基本は手揉技術(静岡県無形文化財)にあり、茶の製造にあたる人たちは常にこの技術の習得にはげみ、よりおいしい茶の製造に努力しています。
昔ながらの手摘み風景
■お茶ができるまで【工程】
①お茶を育てる
■年間作業カレンダー
1月~2月 | 肥料を施す(春肥①) |
3月 | 防除 肥料を施す(春肥②) |
4月 | 肥料を施す(芽出し肥) |
5月 | 一番茶の収穫・製造 枝を深く刈り落し樹の勢を回復させる 防除 |
6月 | 肥料を施す(夏肥①) 二番茶の収穫・製造 |
7月 | 防除 肥料を施す(夏肥②) |
8月 | 三番茶の収穫・製造 防除 |
9月 | 土を深くおこし石灰を入れる 肥料を施す(秋肥) |
10月 | 枝を整える(秋整枝) |
11月~12月 | 防除 しき草をしく |
整枝作業
②お茶を摘む
毎年、4月中・下旬から5月頃お茶の摘採(茶摘み)がはじまります。
あらわしているのです。一番茶は「新茶」と呼ばれ、初夏の訪れを告げる風物詩として珍重されています。
例えば牧之原の場合、摘採の時期は次のように区別されています。
■茶摘みの時期 (牧之原地帯の場合)
一番茶 | 4月25日~5月10日 |
二番茶 | 6月20日~7月5日 |
三番茶 | 7月25日~8月10日 |
四・秋番茶 | 10月上旬~10月中旬 |
手摘み | 動力摘採機(2人用)による摘み取り |
乗用型摘採機 | レール走行式茶園管理装置 |
③荒茶製造工程
摘み取ったお茶の葉を、蒸して揉んだ後乾燥させたものを荒茶と呼びます。
荒茶はまだ大きさも不揃いで、茎なども混じっているため半製品といえます。
荒茶は次のような工程で作られます。
■荒茶製造工程の流れ
蒸し | 茶の葉を蒸気で蒸し茶葉中の酸化酵素の活性を抑えます。 |
冷却 | 茶の葉の表面の水分を取り除きながら冷やします。 |
粗揉(そじゅう) | 熱風で強く揉みながら乾かします。 |
揉捻(じゅうねん) | 茶の葉に力を加えて水分の均一をはかりながら揉みます。 |
中揉(ちゅうじゅう) | 茶の葉を再び熱風で揉みながら乾かします。 |
精揉(せいじゅう) | 茶の葉に熱と力を加え形を整えながら乾かします。 |
乾燥 | 茶を十分乾かします。 |
荒茶製造工場(粗揉~中揉工程)
荒茶製造工場(精揉工程)
④仕上茶製造工程
形や大きさが不揃いな荒茶を、均一に形を整え仕上茶を作ります。
仕上茶製造工程は次のとおりです。
■仕上茶製造工程
選別 | 荒茶は形が大小さまざまな状態で混じりあっているので、 ふるい分け切断して、きれいに形を整えます。 |
乾燥(火入れ) | 茶をさらによく乾燥させると同時に、独特のお茶の香り を作り出します。 |
合組(ごうぐみ) | 製品の調整・配合と均一化をはかります。 |
包装 | 仕上がったお茶は計量・包装され消費地の小売店に 輸送されます。 |
荒茶冷蔵倉庫
茶の包装
⑤小売り店の店頭へ